国税庁がタワーマンション節税の監視を強化

 国税庁が全国の国税局に対し、タワーマンションを使った相続税対策への監視を強化するよう指示しているとのことです。国税庁は今後、タワーマンション節税に対してどのような対策を講じるのでしょうか。

 平成27年10月27日の政府税制調査会の中で、タワーマンション節税について評価の見直しを求める声がありました。これを受けて国税局は、行き過ぎた節税については監視を強化する旨の発表をしました。具体的にどのようなケースが対象となるかを明らかにはしていませんが、著しく不適当だと認められれば、通常の相続税評価額が否認されて節税の効果がまったく無くなってしまう可能性もあります。

国税庁の見解
 「当庁としては、実質的な租税負担の公平の観点から看過しがたい事態がある場合には、これまでも財産評価基本通達6項を活用してきたところですが、今後も、適正な課税の観点から財産評価基本通達6項の運用を行いたいと考えております」

財産評価基本通達6項
 「この通達の定めによって評価することが著しく不適切と認められる財産の価額は、国税庁長官指示を受けて評価する」
 6項の適用例として、昭和56年1月28日の東京高裁や平成4年3月11日の東京地裁において、マンションの価額を購入価額で評価することを適法とした判決があります。

タワーマンション節税
 一般にマンションは高層階になるほど市場価格が高くなります。しかし、相続税評価においてマンションは単に建物と敷地の価額を持分の割合で按分して計算するだけで、市場価格に影響する階層等の要素は考慮されません。その結果、市場価格と相続税評価額にかい離が生じやすくなります。
 タワーマンション節税は、こうした市場価格と相続税評価額とのかい離を利用し、相続財産の圧縮を図るスキームです。

行き過ぎた節税の対象となる目安
 国税庁は行き過ぎか否かの判断の目安となるかい離率を、サンプル調査していたことが判明しました。売買価格を相続税評価額で割ることによって算出するかい離率の最大は6.93で、平均値は3.04でした。
この「3.04」が「著しく不適当と認められる財産の価額」として、上記「財産評価基本6項」を適用する際の目安となることが予測されます。

 
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建築工事の品質管理

1 建築工事の品質管理の基本的な考え方

 建築に素人の建築主は、建築士に委託して建物の設計をしてもらいます(建築設計)。次に、完成した設計図を建設会社に渡して建築工事をしてもらいます(建築施工)。建築主は工事期間中、建設会社から寄せられる相談や求められる判断に適切に対応するために、また、手抜き工事がないかチェックするために、専門家である建築士に代理を依頼します(工事監理)。工事監理の役割は、建物品質管理、スケジュール管理、請負代金の支払い管理に大別できます。
 工事を施工する建設会社も、現場管理社員、現場責任者などといわれる人員を配置して現場管理します。一般に、現場所長(通称)の差配の元、現場監督(通称)が管理して工事を進めます。建設業法の規定では、建設業者はすべての工事現場に主任技術者を置き、下請けに出す金額が3,000万円以上の場合は監理技術者を置かなければなりません。これらの技術者の通称が現場監督です。
 建設現場では、建設会社が外注する多くの下請け会社が仕事をします。現場監督の役割の1つは、下請け会社に対する工事の指示や工事内容のチェックです。建設会社と下請け会社の関係は相応の緊張関係にありますが、建築主からみれば「建設会社の内部のこと」で、建築主との関係では工事の瑕疵等の責任は元請けの建設会社にあります。
 竣工後に自ら建物を利用したり賃貸経営することから、瑕疵がないか、性能は維持されているかなど、建物の品質に最も利害と関心があるのは建築主です。建築主の利害と関心を満足するために、建築主、建築設計、建築施工の三者が相互に補完し、かつ、監視しあいます。
 品質管理のポイントの1つは工事監理です。一般に、設計した建築士が工事監理を行います。随時、現場にでかけ、適切に工事が行われているか監視します。仮に、鉄筋の数が少ない、コンクリートの打設が適切でないなど品質に問題がある事象に気が付くと、工事のやり直しなど、修補を指示します。建設会社が金銭的にダメージを負う、工事スケジュールが狂うことがあっても、やり直しを命じて品質を確保することが建築主の代理人として当然の務めです。
 引渡し時期の遅滞について、請負契約に違約条項を設けることが一般的ですが、品質確保を優先する建築主は、違約条項を使うことなく、引渡しの延期に応ずることもあります。工事監理は建設会社と利害関係がない第三者が行うことが基本です。

2 設計施工一貫体制の品質管理

 わが国では、設計施工一貫方式も定着しています。建設会社が建築設計も行うものです。1人の大工さんに間取りなどを考える部分と建てる部分を任せる伝統のあるわが国で、広く受け入れられています。
 設計と工事を同じ会社が行うので面倒が少ない長所があります。半面、工事監理機能が十分働かない危険性が否定できない問題があり、これを解決する仕組みを持つ会社に依頼することが重要となります。

3 建設と販売が一体化する建物分譲事業

 分譲マンション事業などの建物分譲事業では、完成して引渡し(請負契約)を受けた建物を、建築主は自ら利用や経営せず、売主として消費者に売却します。
 売却に際しては引渡し(売買契約)期日を定めることが通常ですので、売主は債務不履行を免れるために、特定の時期までに建物を完成させる必要があります。この結果、工期を厳守することが重要な目標となります。建築主として建物の品質を確保したい利害・関心と、売主として引渡し時期を厳守したい利害・関心が相克します。このような局面でもなお、建物の品質確保が保証される仕組みが求められています。
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「民泊」の問題点と今後の政策の方向性

 オリンピック・パラリンピック東京大会が決定し、さらに円安も手伝って、訪日観光客数は急激に増加しています。一方でホテルの稼働率は全国平均で70%。特に東京は80%、大阪は90%をそれぞれ超えており、旅行者数の増加に対しストック数が足りていないのが現状です。そのためホテルの予約が取りづらく、宿泊代金が上昇しています。

住宅所有者と外国人旅行者をマッチング

 外国人旅行者が長期の旅行でまっさきにコストを削りたいのは宿泊費です。そんな中、東京五輪の決定を受けて日本に進出したのが、アメリカのAirbnb(エアビーアンドビー、以下エアビー)です。エアビーはインターネットで住宅の所有者(ホスト)と外国人旅行者のマッチングを行うサイトを運営しています。このサイトを開くとデジタルマップが表示され、その上にマンションなどの住宅がいくつもプロット(配置)されています。クリックすると、住戸内の詳しい様子が写真やテキストで確認できるようになっています。旅行者はエアビーを通じてホストと連絡を取り、必要な手続きを行って入室します。
 利用料の相場はいくらぐらいなのでしょう。湾岸地区の高層タワーマンションの高層階では、80屬曚匹旅さで1日の使用料は1万円超という設定です。都内で同じくらいの面積のホテルを借りることと比較すればきわめて安価です。
 ただし、専有部の外部貸し出しは、マンションの管理組合からは猛反発を食らっています。その理由として、最新の大規模マンションには、ほぼ例外なく豪華な共有施設が備わっていることが挙げられます。共有施設は区分所有者の財産であり、それをホテル代わりにタダで利用するような観光客に使わせたくないのは当たり前と言えます。そのため、複数の管理組合でシェアハウスを含めた専有部の個人貸出しの禁止や、ゲストルームの連泊利用の禁止や利用回数を制限することを規約で定める事例がでています。

民泊を法的に位置づけ、制度の普及を検討

 民泊は旅館業法の規制があるため、消防設備などを備えたうえで自治体の営業許可を受ける必要があります。ただし民泊物件の多くはこうした許可を取らずに運営されており、エアビーの存在も運営サポート会社の事業活動も「違法」とみなされる可能性が非常に高いのですが、なし崩し的に始まっているのが現状です。
 昨年11月に、京都市で民泊を組織的に行っていた旅行関連業者が、市の許可を受けずに旅館業を営んだとして、旅館業法違反容疑で摘発されています。普通の賃貸マンションの複数の空室部分だけをまとめて旅行関連業者が借り上げ、中国人観光客に宿泊させていました。マンションには連日、大型観光バスが横付けする事態となっており、騒音などが他の住人の迷惑になっていました。
 こうした現状から、政府内部および観光庁では、現在は違法状態である民泊を法的に位置づけて、制度として普及を図ろうと検討を行っている最中です。行政改革担当大臣は、全国的に民泊を認めるための規制改革を進める方針を表明しました。自民党の観光立国調査会では、全国一律型の法制度として新たに「民泊法」を制定することを提言にまとめています。
 現行制度では、国家戦略特区において、地方自治体が条例を制定することで旅館業法の適用除外を受けることができます。特区指定を受けている東京の大田区や大阪府では「7日以上」の滞在に限り民泊を認める条例を年内にも施行する見通しです。インバウンド(外国人観光客)の急拡大でホテルの供給が追いつかないなか、民泊の制度設計は急務であると言えます。
 
| 日記&不動産 | 10:24 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

マンション(区分建物)表題登記 専有部分と敷地利用権の一体化

 近年、マンション建物の多くで、土地と専有部分が一体的に管理されており、その状態で各専有部分の売買取引などが行われています。その仕組みについて説明します。

◎敷地権とは
 区分建物を所有するための建物の敷地に関する権利を敷地利用権といいます(区分所有法第2条6項)。そしてその権利が、複数人で有する所有権または地上権、賃借権である場合には、区分所有者は、原則としてその有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができません(同法第22条1項)。また、一棟の建物に属する区分建物の全部を所有する者の敷地利用権が、単独で有する権利である場合も同様です(同法22条3項)。
 従って、敷地権とは、専有部分と分離して処分することができない敷地利用権であり、かつその登記がされていることが前提条件となります。これを、「専有部分と敷地利用権の分離処分禁止の原則」(専有部分と敷地利用権の一体性の原則)といいます。ただし、敷地利用権について、専有部分と分離して処分できる旨の規約(分離処分可能規約)を設定すれば、分離して処分することができます(同法22条1項但し書)。
 なお、今日のマンションの敷地利用権は、共有形態のものがほとんどで、この敷地利用権は、通常、専有部分と一体的に取引がされています。この場合、以後の権利変動の公示は、区分建物の登記記録のみで行われます。

◎一体性の例外について
 この一体化の原則(敷地権化ともいう)は、昭和59年1月1日に施行されましたが、例外もあります。
 当時、既存の区分建物は、大型のマンションから順次、法務大臣が一体化の適用開始日を指定し、新法施行日から5年を超えない範囲内で、全国の各法務局で職権による一体化の登記手続き作業が行われました。
 一方、この法務大臣の指定がなかった区分建物は、分離処分可能規約があるものとして新法が適用されることとなり、従来のまま据え置かれて、登記簿に手が加えられることはありませんでした。
 こうした例外があったことから、現在、本来なら一体化できるような区分建物でも、あたかも登記が誤って放置されているかのごとき区分建物が存在することがあります。
 このような建物は、古い小規模マンションに散見されますが、こうした区分建物に一体化の原則を適用させたい場合は、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数決により、分離処分可能規約を廃止して一体化する手続き規定があります。また、当該区分所有者全員の書面合意によって廃止することができる規定も設けられています(区分所有法第31条、同45条)。
 これら廃止手続きの後に、敷地権の表示の登記の申請手続きを行うこととなります。
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| 日記&不動産 | 09:42 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

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